カレンNX50の概要と特徴
カレンNX50は、ホンダが1979年9月に発売した50ccクラスの原付バイクです。
このモデルの名前は「可憐」から来ていて、その意味にぴったりの優しさや優雅さが表現されているデザインです。
カレンNX50は、当時ホンダが力を入れて販売をしていたロードパルシリーズのハイグレード版として作られています。
足回りやエンジン、トランスミッションなどは、基本的にロードパルと共有しているのが特徴です。
国内のみの販売となっていて、日本の道路事情や街乗りがしやすい特徴を持っているのもポイントとなっています。
小さめのホイールとタイヤは小回りが利き、車両重量55kgという身軽さとあいまって、バイク初心者でも簡単に乗り始められるのが多くの人に支持されました。
全国ネットでの有名女優を起用したテレビCMも大々的に行われ、知名度が一気に上がったことで売り上げも高まっています。
カレンNX50の仕様と魅力
ホンダ・カレンNX50はファミリー向けのバイクとして作られていますが、ホンダの新技術が数々搭載されていて、新しいバイクの礎ともなっています。
その代表的な仕様としては、まずオートセルスタートを挙げることができます。
今まではキックスタートが主流だった始動ですが、カレンNX50ではセルボタンを押すだけでワンタッチのエンジンスタートができる機構が実装されたのです。
これですぐに乗り出しができるようになり、バイクになじみのない人でも楽に乗れるようになります。
また、ミッションのオートマチック機構も新システムが搭載されています。
今まで以上に滑らかなギアチェンジがなされ、加速の際のショックが大きく軽減されています。
その分マシンコントロールがしやすくなっていますし、乗り心地の良さも向上しています。
最高出力は3.1PSとファミリーバイクとしては十分な力を出していますが、燃費がリッター当たり75kmとかなりの経済性を達成しているのも魅力です。
当時の技術からすると非常に効率の良い構成となっていることが分かります。
サスペンションはフロントにテレスコピックタイプ、リアにスイングアーム式を装備しています。
ブレーキは前後ともドラム式で、いずれも街乗りにおける快適性を重視した設計となっています。
フレームは低床バックボーン式で、上部が開いている形状です。
そのため乗り降りが楽ですし、荷物を運ぶのにも便利な作りとなっています。
カレンNX50は1979年に発売されてから1981年にマイナーチェンジを行い、大型のレッグシールドを装着したカレンSというモデルが登場しています。
その後、1983年に惜しまれながらも生産終了となりました。