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ドイツで生まれて消えて行ったケッテンクラート

ケッテンクラート

ドイツで生まれたキャタピラ付バイク「ケッテンクラート」

ケッテンクラ―トは操舵系がバイクで、駆動部が戦車のような見た目が特徴です。
戦時中は前輪がタイヤ、後輪がキャタピラのハーフトラックという車種が多く使われており、その一つがケッテンクラートです。
戦場では主に牽引車として使われていました。
開発された経緯ですが、第二次大戦中、ヨーロッパは荒野が戦場だったので、走破性が求められます。
ケッテンクラ―トは1938年にドイツの自動車メーカーNSU社が開発。
「ケッテン」とはドイツ語で履帯(キャタピラ)、「クラート」はバイクの古い言い回し「クラフトハート」を略したものです。日本語にすると履帯式バイクになります。
終戦まで8,800両生産されたといわれており、戦後も1949年までに550両が民需用として生産されました。

ケッテンクラートの操作

特徴的な形ですが、二輪的な構成により乗り手が直感的に操作できるためだそうです。
操縦はバイクというより自動車で、足元にクラッチペダル、ブレーキペダル、シフトレバーが並びます。
アクセルは右手ハンドルがスロットルです。
大きくハンドルを切っても前輪はあまり効かず、バーハンドルに連動して左右のキャタピラの回転数を変えて曲がる仕組みになっています。
しかし、時速30キロ以上になると前輪の抵抗で微妙な操作も可能で、安定して走れるようになる補助輪として機能します。
一方、路面状態が悪くなると前輪を外して、キャタピラで走行することもあったそうです。
左右のキャタピラを互いに逆行させてその場で回る「超進地旋回」はできませんが、車体の中心から約4メートルの最小回転直径になります。

実際に走っている映像がコレです。
ケッテンクラ―トは最高出力36馬力で重量は1,586kgもあるので鈍重そうですが、オフロードではキビキビ走ります。

思っていた以上の走破性ではないでしょうか。
動画を見ているとオフロードを楽しく走れそうです。