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高い耐久性と機動力を誇ったBMW R75

R75

ハーレーダビッドソンWLAと双璧をなすモデル

BMW R75はBMWで最も有名な軍事用バイクです。戦争映画でも数多く登場したモデルで、当初から軍事用モデルとして開発され18,000台生産されたといわれています。
OHVエンジンを採用した高性能モデルR66をベースに745ccにスケールアップ。
エンジンの始動はキックレバーによって行われ、バッテリーの電気を使わないでも走れます。
これは当時のバッテリーの性能を考えると重要なポイントです。
サイドカーと一体で設計され、兵士が3人乗ることを前提としています。
装備重量が400kgを超える巨体で時速95キロまで加速が可能です。
重量に対応するためBMWとして初めて油圧ブレーキを採用したモデルでもあります。

補助変速4速ミッションで後輪二輪駆動になっています。
悪路走行用のノビータイヤが採用され、16インチのシールド形ドラムブレーキを備えることでパンク対策がとられていました。
タイヤを交換すれば砂漠でも走ることも可能です。
他には排気ガスをハンドルに持ってきて手を温めるグリップヒーターのような機能まで搭載されています。
ただし、重量がかさむためほとんど前線では撤去されていたようです。

ヘッドライトは防水構造になっており、空間もあるので電装系の収納やスピードメーターが組み込まれています。
スピードメーターは時速120キロまで目盛りが設定されているのが特徴です。

後に大量のコピー車が登場

走破性だけではなく、快適性や耐久性が高いのが特徴のR75ですが、それは極寒のソ連や灼熱の北アフリカでも使用できるため。
BMWは軍の要求に応えるため造りました。
しかし、ドイツは負けてしまいます。結果、R75を製造していた工場がソ連の占領下に。
そうするとソ連はBMWのバイク、自動車を、EMWという名前で勝手に作り始めてしまいます。
敗戦国の企業だったBMWは止める権利もなく、黙ってそれを見ていたそうです。